ご挨拶

会長

日本がん登録協議会
第32回学術集会in青森

会長 斎藤 博
青森県がん検診管理指導監
青森県立中央病院医療顧問



 2023年6月8日(木)~10日(土)の3日間、日本がん登録協議会第32回学術集会を青森県青森市で開催します。がん登録等の推進に関する法律が施行されて5年が経過し、個人情報保護法の改正やがん診療連携拠点病院からの届出方法の変更など、全国がん登録や院内がん登録の環境が大きく変化しています。そのような中で4年ぶりの実地開催を計画している第32回学術集会は、改めて参加者の皆さんにがん登録に関する有益な情報交換の場を提供できる機会になるものと確信しています。
今回の学術集会のテーマは「国際標準のがん登録を目指して」です。
 その理由の一つは、全国がん登録が開始されて初めて国際がん研究機関(IARC)『5大陸のがん罹患(CI5, Cancer Incidence on the Five Continents)』がデータを募集し、多くの日本のがん登録が参加したことです。国内では個人情報保護法が改正され、診療情報を含む要配慮個人情報の取り扱いが精緻に取り決められました。CI5への参加(がん登録データの国際共同利用)は、個人情報保護法での越境移転に相当します。しかし、がん登録推進法では越境移転に関する記述がなく、もちろん前例もないため、承認まではかなり厳しい審査が必要でした。今後、さらに海外との共同研究が求められると考えられ、それを見据えたがん登録推進法の改正が望まれます。今回の学術集会が、そのようながん登録の国際化を見越した議論を提供できるようにテーマを設定しました。また、欧州などではがん登録データをがん検診の精度管理に利用しています。がん登録推進法に記載されている地方公共団体でのがん登録情報の利用は、こうした海外でのがん検診精度管理の実施体制を日本でも整備することが目的の一つであると考えられます。平成28年度の青森県事業を皮切りに、いくつかの都府県でこのようながん検診の精度管理の取り組みが始まっており、これが全国に普及することが求められています。このことも、今回のテーマ設定の一側面です。
 プログラムは、8日午後のがん登録実務者研修会から始まり、2つのシンポジウムと2つの口演セッションを予定しています。また、広いポスター会場を確保しており、研究発表だけでなく、登録室の取り組みを報告する発表カテゴリー(活動報告)もあります。これまで学術集会での発表経験がない方でも、この機会にご自身の登録室の活動をご報告ください。
 6月初旬の青森市は穏やかな天候で、学術集会の開催中は心地よく過ごしていただけると思います。会場から徒歩5分以内に大型ねぶたの展示施設や魚市場があり、少し足を延ばすと、酸ヶ湯温泉や弘前城、竜飛岬などの全国的にも有名な観光地が目白押しです。豊かな自然の恵みである鮮魚や果物を含め、青森県を存分に味わうことができます。ぜひ、第32回学術集会に奮ってご参加ください。お待ちしております。



ご案内



開催概要

会期

2023年6月8日[木]〜10日[土]

会場

リンクモア平安閣市民ホール
(青森市民ホール)

会長

斎藤 博
青森県がん検診管理指導監 青森県立中央病院医療顧問